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うつ病を知って!!  (1)

 

 

うつ病は大変苦しい病です。

 

毎年、全国のうつ病による自殺者数が、交通事故による死者数をはるかに上回っていることは、その深刻さを如実に物語っています。昨年、国が『自殺総合対策大綱』を制定しました。その中に、

『このように、多くの自殺は、個人の自由な意志や選択の結果ではなく、様々な悩みにより心理的に「追い込まれた末の死」ということができる。』

と明記されています。そして、うつ病に対する対策が多く出されています。

 

そうなのです。心理的に追い込まれるのです。

うつ病による自殺は、個人の自由な意志や選択の結果ではありません。社会により追いつめられ追い込まれて衝動的に飛び込んでしまうような性質のものです。

 

とすれば、これはある意味、殺人であるといえるでしょう。誰が? 社会です。社会の不理解が、うつ病患者を自殺に追い込むのです。

 

 

『自殺対策基本法』では、「自殺対策や政策を策定し実施する責務を有する」と国、地方公共団体等の責務が明確にされました。

けれども、日本においては、国や地方公共団体のみならず、医療においても、うつ病に関する研究や対策は遅れていると言わざるを得ません。医療関係者の中に、うつ病を軽い病と見なす傾向があります。

 

『自殺対策基本法』と『自殺総合対策大綱』を受けて、すべての国民が今一斉に立ち上がるべきなのです。

この病は突然やってきます。次はあなたかもしれません。それは明日かもしません。

 

 

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うつ病を知って!!  (2)

 

 

この病の苦しさは、体験したものでなければわかりません。

 

うつ病の苦しみの二重構造について知ってください。

 

まず第一の苦しみは、うつ病という病そのものの苦しみです。

 

うつ病は、脳神経細胞間の神経伝達物質セロトニンとノルアドレナリンが足りなくなって起こるとされています。その結果、様々な症状が起こるのですが、底までエネルギーが落ちると、動けなくなります。こうなると、歯を磨くといったような日常生活さえもできなくなります。表情さえも動かなくなります。テレビの音や音楽はもちろんのこと、家族の会話さえも苦痛になります。

これが、うつ病の第一の苦しみです。

 

ここまで来ると初めて、家族にも何か変だということがわかってきます。

でも、それでは遅いのです。ここまできたら、社会復帰には5年から10年の期間が必要でしょう。

 

 

つぎに、第二の苦しみは、社会の不理解という苦しみです。

 

この底期の様子は家族は、いやでも見ざるを得ません。けれども、それ以外の人はこの時期に会うことはないでしょ。もしあったとしても、それは比較的回復してきてからでしょう。

したがって、このうつ病のどん底の苦しみは、そばで一緒に生活している家族以外には、誰にも見えないのです。

 

 

うつ病を発症して落ち込んでいく「落ち込み期」と、回復して社会生活を取り戻していく「回復期」には、脳神経細胞間の神経伝達物質が不十分なために、十分に社会生活に適応することができません。

 

ところが、周りで見ている者にとっては、何ら本人に異常があるようにはみえません。いくら本人が不調を訴えても、元気そうにしか見えないのです。そのため、周囲の者は、初めは心配していても、こんな状態が長く続くうちに、「いつまでも甘えるな。いつまでもくよくよするな。」と本人をムチ打つようになります。

 

ここから、うつ病の第2の苦しみが生まれます。

この周囲の理解が、病の苦しさ以上に苦しいもので、ときにその最大瞬間風速は本人の命を奪いさえもするほどなのです。

 

 

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うつ病を知って!!  (3)

 

 

うつ病を体験しないものが、その苦しみを理解することは不可能に近いとも言えます。けれども、その苦しんでいる人に寄り添う努力はできます。うつ病で苦しんでいる人にとっては、誰かそばにいてくれる人が居るということだけで心が救われる時があるのです。

 

まずは、周囲の人々の正しい理解が必要です。

うつ病に対する正しい知識を、日本国民すべてが持つ必要があります。

うつ病の「落ち込み期」と「回復期」には、本人の周囲の不理解が大きければ、自殺してしまいかねない危険性があります。

 

うつ病には、まず休養が必要です。

専門医にも早く見てもらうほど良いでしょう。適切な処置を早くとればとるほど回復も早くなります。

 

若い場合は、早く適切な処置をとれば抗鬱剤を飲まなくても回復できるでしょう。けれども、中年以降はできるだけ早く抗鬱剤を飲み始めた方が良いでしょう。

どちらの場合も、まず休養が大切です。

 

うつ病になる人は、責任感が強いので周りに迷惑をかけてはいけないと思い、かなり深刻な状況になるまで頑張ってしまいます。周囲の人はそのことをよく理解して、本人が休養を取れるようにそれを最優先してあげてください。

 

学校の児童生徒に対しては、学校の決まりは二の次です。本人の心が少しでも楽になるような支援を緊急にしてください。

職場においては、今は、労働基準法その他の職場を拘束する法律よりも、『自殺対策基本法』と『自殺総合対策大綱』を優先させてください。

国、地方公共団体は、うつ病で苦しむ人をより具体的に保護する法律を、早急につくるべきです。

 

 

「頑張れ」という言葉をうつ病の人にかけてはいけない、ということは常識的に知られるようになりました。けれども、そのもう少し深い意味についてはまだ理解されていません。

 

「頑張れ」という言葉だけではないのです。

 

うつ病の人は、傍からみても元気そうに見えます。けれどもその時本人はものすごいムリをしているのです。にもかかわらず周囲には本人の苦しみが分かりません。そのため本人が苦しさを訴えても、それを聞いた者は心の中で拒絶してしまう。すなわち、「お前は元気じゃないか! 甘えるな! 頑張れ!」

これが本人を死に追い込むのです。

 

「頑張れ」という言葉をうつ病の人にかけてはいけない、ということは、「お前は元気じゃないか」という表面的な受け止めによって、本人の訴えを拒絶してはいけないということなのです。

 

ムリができないということが本人にもわかりません。できると思って、やってそして倒れるのです。

 

だから、本人は経験的にこれはできないということを学び、周囲に訴えようとするのです。

その声をよく受けとめてください。

そして傍に寄り添ってください。

どうしたらいいかを一緒に考えて下さい。

 

 

 

 

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